Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 くす、と目を細めて笑う歌姫さんがなにを言っているのか、さすがにそこまで言葉にされたらわかる。

 だから、私は数秒前のショックとは くらべものにならないくらい、ずんっと心に重い衝撃(しょうげき)を受けた。

 帝さんと、そんな特別な関係になった人が目の前にいる。




「支配人に特別あつかいされて思い上がってるなら、今すぐ自分を見つめ返しなさい。私とあなた、どちらが支配人にとって特別か…わかるでしょう?」


「…」




 特別、だと、思ってたわけじゃないはずなのに…。

 歌姫さんにそう言われて、胸がずきずき痛くなった。




「私なら、今すぐに自分から身を引くけれど。あなたがみっともなく支配人にすがりつくかどうかは、まぁ、あなたの自由よね」




 くすくすと笑う声が耳に残る。

 なんだか、泣きそう、かも。




結花(ゆいか)が俺にすがりついたとして…俺がどうするか、おまえにはわかるとでも言いたげだな」