Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―

「わ、ぼ、暴力はごえんりょください~…!」




 お客さまは私に近づいて、胸ぐらをつかんでくる。

 ひぇ、だれか助けてぇ、と泣きたい気持ちで目をつぶると、「おい」と気だるげな声が聞こえて、胸元をつかまれる感覚がなくなった。




「なんだっ、…あ…」


「うちの従業員に手を出すな。おまえは今後出禁だ」


「お引き取り願います、お客さま」




 ぱちっと目を開けると、帝さんがお客さまの腕をつかんで、冷たい目を向けている。

 そばにいたカジノマネージャーが、きびしい顔で店から出ていくようにうながすと、お客さまは苦虫をかみつぶしたような顔で「くそっ」とつぶやいた。

 帝さんが手を離せば、お客さまはカジノマネージャーに監視されて出口に向かっていく。




「…大丈夫か」


「はい。ありがとうございます、帝さ…あぁえ~っと、支配人」