Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 ことわりを入れて、長い前髪の下に手を差しこむと、思ったほどの高熱は伝わってこない。

 最初のインパクトが強すぎたせいかもしれないけど、むしろ最初より熱はやわらいでるような…?


 うーん…もしかして、具合がわるいのをがまんしなくなったから、ちゃんと体調不良が表面的に見えるようになってきたのかな?




「…マスク、しておけ」


「あ、はい」




 けほ、とまた小さくセキこんだ帝さんを横目に、トレーに置きっぱなしだったマスクを顔につけた。

 帝さんが がまんするのをやめてくれたなら、いい調子だ。




「帝さん、なにか してほしいことはありませんか?」


「ない」




 他にもなにか できることはないかと、口角を上げて聞くと、あっさり振られる。

 でも、帝さんは自主的に体を横たえて、ふとんのなかにもどった。

 私はタオルを新しい氷水につけて、水分をしぼりとってから帝さんのおでこに乗せる。