Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 グラスを受け取った帝さんは、こく、こく、とスポーツドリンクを飲む。

 帰ってきたときと、顔色は変わってない…かな?

 でも帝さん、見た目じゃ具合がわからないからなぁ…。




「お(なか)、すいてますか?ごはんも持ってきてもらえましたよ」


「…すこし」


「じゃあ、食べれるように用意しますね」




 にっこり笑って、帝さんから空になったグラスを受け取り、代わりに土鍋を開けて湯気(ゆげ)が立っているおかゆをレンゲで すくいとった。

 ふー、ふー、と息を吹きかけて冷ましてから、レンゲの下に手をそえて、帝さんに「はい」と差し出す。

 帝さんは、じっとレンゲを見つめて、無言で私のことも見つめた。




「えぇと…サイドテーブルに置いてあるのを食べるのは、体勢的にちょっと大変かな、と思いまして…」


「…」




 た、たしかに、帝さんに“あーん”とか失礼だったかな…!?

 私があせり始めたとき、帝さんはしずかに口を開いて、受け入れ態勢になる。

 私は、はっ!!とすぐに帝さんのお口にレンゲを近づけて、ぱくりとおかゆを食べてもらった。