帝さんには必要ないかな?と思ったけど、帝さんはことわるわけでも、振り払うわけでもなく、そのまま目を閉じたので、ぎゅっと手をつないでおく。
「なにかしてほしいことがあったら言ってくださいね。おやすみなさい」
「あぁ」
そっと声をかけて、私はベッドの横に座りながら、帝さんが眠る様子を見守った。
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しゃべらず動かず、たぶん寝ている帝さんをながめて、たまにタオルを冷やしなおしたりしていると、ひかえめなノックの音が聞こえてくる。
使用人さんかな?と思って、帝さんの手を離し、しずかに廊下へ続く扉を開けに行くと、やっぱり使用人さんが立っていた。
廊下に2人、それぞれのものを手に持って。
「お飲み物とお食事をお持ちいたしました。それからお嬢さまに、マスクもご用意しております」



