Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―

 周りにはたいそう ふしぎがられたけど、私だって今でもなぞに思っている。

 私はとりあえず、へへ、と晴琉くんに向けて笑い、ごまかした。




「それに、結花さんは――」


《――青波(あおなみ)結花(ゆいか)、セキュリティールームへ来るように》


「んぇっ」




 晴琉くんの言葉をさえぎってカジノフロアへとひびいたアナウンスに、びくっと肩がはねる。

 せ、セキュリティールームに呼び出しなんて…私、なにかしちゃったかな。




「あれ。結花さん、呼ばれてるね」


「は、晴琉くん…心当たりがなくて、こわいんですが」


「あはは、きっと大丈夫だよ。こっちは僕がやっておくから、行ってらっしゃい」


「ありがとうございます…行ってきます…」




 笑顔で引き受けてくれた晴琉くんにチップの整理を任せて、私は肩を丸めながらセキュリティールームへ向かった。