Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



「…帝さん、失礼します」




 私はすこし考えてから、帝さんの前に回りこんで、前髪の下に手を差しこんだ。

 すると、手のひらに人の体温をはるかに上回った熱を感じて、目を見開く。




「な、なんでこんなに熱があるのに平然としてるんですか!?」


「…」




 顔色までいつもどおりって、どんな魔法を使ってるの!?

 これはたしかに早退案件だし、看病も必要だよ!!

 私はあわてて帝さんの腕をつかみ、部屋の右側にあった黒いベッドへと、帝さんを引っぱっていった。




「こんなに熱があるのに仕事なんてしちゃだめです!大人しくしててください!」


「これくらい…」




 帝さんをベッドに座らせて、スーツのボタンを外しながらお説教をすると、当の本人はため息をつく。

 でも、私の手にかかったその吐息(といき)すら相当に熱くて、ああもう、とわからないなりにネクタイを急いでゆるめた。

 Yシャツのボタンにも手をかけて、1つ、2つ、3つ…と外してから、露出(ろしゅつ)した(はだ)に気づき、はっ、と赤面する。