Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 ひとまず帝さんのチェッカーを受け取ると、廉さんは「先に帝サマ車に乗せとくから、ゆいちゃんは着替えてから来てくれ」とゆるく笑う。

 もう一度帝さんに視線を向けても、やっぱりいつもどおりにしか見えなくて、うーん?と思いながら、私はうなずいた。




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 廉さんが呼んだらしく、いつもよりうんと早い時間に(むか)えに来てくれた車に乗り、帝さんと一緒に家へ帰ってきた。

 看病をお願いされた身として、いつもと変わりなく歩く帝さんのとなりを歩き、帝さんの部屋までつきそったはいいものの。

 帝さんはモノクロカラーの部屋に入るなり、気だるげに言う。




「仕事をする。結花(ゆいか)は部屋にもどっていい」


「んぇ…でも、廉さんが…」


「わざわざ休まなくても仕事に支障(ししょう)はない」




 “わざわざ休まなくても”、“支障はない”…っていうことは、やっぱり体調をくずしてるってことだよね?