Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 帝さんを連れて?

 ぱちぱちとまばたきをしながら、「ほら、観念してチェッカー外してくださいよ」と帝さんに話しかける廉さんを見る。

 帝さんは廉さんを横目に見てから、スーツをすこしまくってチェッカーを外した。


 廉さんは帝さんからチェッカーを受け取ると、私のほうへ歩いてきて、帝さんのチェッカーを差し出す。




「帝サマ、ゆいちゃんの風邪(かぜ)もらっちゃったみたいでさぁ。これはゆいちゃんが家に持ち帰っといてくれるか?」


「み、み、帝さんが風邪を!?」




 思わず廉さんのうしろにいる帝さんを見たけど、顔色から表情から立ち姿からなにまで、いつもどおりの帝さんに見えて、風邪…?と首をかしげた。




「そう、気づくの遅れたけど、だいぶ熱出てるからゆいちゃんに看病(かんびょう)たのむわ」


「は、はあ…わかりました」