お礼を言うと、帝さんはうなずいて、廊下に続く扉へ向かっていく。
さみしい気持ちをがまんするように目を閉じると、時間が経たないうちに、すぅ、と意識が沈んでいった。
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よく部屋に来てお世話してくれた使用人さんと、お昼と夕方にようすを見に来てくれた帝さん。
そして、日曜日と月曜日の2日間ゆっくり休んだかいあって、火曜日の今日には回復して、仕事に来ることができた。
からん、と白い球が赤いマスに落ちて、ゆるやかな回転になったホイールが遅れて止まる。
透明なマーカーを、レイアウトの34と書かれた場所に置いて、賭けに負けたチップを回収していった。
それから、赤の34をふくむ場所に賭けていたお客さまに配当金を払いもどす。



