Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 扉の前に立ったままそう言われて、そう言えばお風呂上がりからつけたままだったチェッカーを左手首から外す。

 こと、と腕時計のような見た目をしたチェッカーをテーブルに置くと、帝さんがソファーに近づいてきた。




「まだ食べるか?」




 テーブルの上のおかゆを見て聞かれ、「えぇと…」とびみょうな返しをしてしまう。

 帝さんは私に視線を移して、答えを待つように見つめてきた。




「そのぉ…食べたいところなんですけど、お(なか)がいっぱいで…」


「それなら残しておけ。あとで片付けさせる」




 帝さんにそう言われると、はい、とすなおに うなずくことができる。

 話が終わるまではソファーに座っていようと思ったのだけど、帝さんは私の前に手を差し出した。

 首をかしげれば、「立て」と言われて、帝さんの手を取りながら、ふらふらと立ち上がる。