Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 おもに色めき立ってるのは女子みたい。

 イケメンの3年生でも現れたのかなぁ、なんて考えていたら、茜も「うるさ、なんなの?」と迷惑(めいわく)そうにぼやく。




「ありがとう、ちょっと3組の子に用があって。通してくれるかな?」


「「はぁーいっ」」


「んん…?」




 やさしげなひびきを持ったやわらかいその声に聞き覚えがあって、ぱっちりと開いた目を教室の外に向けると、廊下から金髪のイケメンが顔をのぞかせた。

 ばちっと視線が(まじ)わった直後、学ランを着た“王子先輩”は にこっと笑って手を振る。




「結花さん、おはよう」


「は、晴琉(はる)くん!」




 びっくりして思わず席を立った私に、教室内外から視線が集まった。

 黒街(くろまち)に2つある高校のうち、たしかにおなじ学校に通ってはいるけど、晴琉くんとGold(ゴールド) Night(ナイト)の外で話すことなんて ぜんぜんないのに。