「てかさ、あのセンコーまじうざくね?うちらに口出しすぎだって」
「そんなに言うならおまえが文化祭準備やれってのー、って言いたいよね~」
ざわざわとした話し声が右から左に通り抜けていく。
授業にも集中できないまま休み時間が来て、私はつくえに両ひじをつきながら両手で顔をはさみ、もんもんと考えこんでいた。
「動画も見ないで ぼーっとしてるなんてめずらしいじゃん。今日はどうしたの、結花?」
「わっ」
ぽん、と肩をたたかれて、おどろきの声がもれる。
今回はとなりの席を占領したらしい茜を見て、思わず泣きつきそうになったのを必死でこらえた。
家のなかのことは、たとえ友だち相手でも言っちゃいけない決まり。



