Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 こんな時間に、なんの用だろう…?

 そう思いながらも階段を登ってあとを追うと、帝さんはちらりと私の姿を確認して、1人で廊下(ろうか)を歩く。

 しばらく帝さんの背中を離れたところから追いかけていれば、私が立ち入りを禁止されているエリアを進んでいくのが見えて、「み、帝さん」と声をかけた。




「私もそっちに行っていいんですか…?」


「あぁ」




 振り向いた帝さんは短く肯定(こうてい)して、歩みを止めずに奥へ進む。

 4年間住んでて初めて立ち入る場所に、おそるおそる足を踏み入れてあとを追うと、帝さんが2つならんだ扉の前で足を止めた。

 そのまま、帝さんは向かって左側の扉を開けて、ぱち、と真っ暗だった部屋の電気をつける。




「わぁ…」