家の人間が勝手に用意した、“女”用の部屋か。

 あれを使う気はないが…。




「ゆいちゃんにもその意識が生まれて、予言が動き出した。できることは ぜんぶやりましょうよ。帝サマに死なれちゃあこまるんですから」


「…」




 予言、か。

 結花が予言のとおりの存在だとは思えないが…勝負に負けてここに残ることになった以上、その日までようすを見ておくのもわるくはない。




「そうそう、春日野(かすがの)が予言のことを知っていた件ですが。どうやら やつの行動範囲(はんい)にあるカフェに(うらな)い師が現れるようで、占い師本人との接触が確認できました」


「…そうか」


「“片付けて”おきますか?」


「どうでもいい」


「わかりました、では放っておきます。俺が(くに)家の方々に にらまれたら助けてくださいね」