Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―

「まぁ…そうですね」


「いくら無法の黒街(くろまち)とは言え、ここで採用されるのは最低でも高校生から。まちがいなく特別な女の子だよ」




 さとすように言われて、たしかに、と昔のことを思い出す。


 黒街に人が来る理由は、いろいろとあるけれど。

 この街の住人が(かか)えている事情としてよく聞くのは、借金(しゃっきん)だ。

 本人が借金している例もあるけど、家族や恋人が借金をしていて、その担保(たんぽ)として黒街に連れてこられることが多い。


 言ってしまえば、人質のようなもの。


 私が黒街に住んでいるのも、その例に もれない。

 我が()の場合は、お父さんが古い知り合いに だまされてサインをしたところが連帯(れんたい)保証人(ほしょうにん)(らん)で、多額(たがく)の借金を背負ってしまい。

 お母さんと2つ上のお兄ちゃんと、当時赤ちゃんだった私の3人が黒街に連れてこられたらしい。