Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―

 あの人はどう“始末”されたんだろう。

 さすがにお亡くなりコースではないと思うけど、ちょっと過激(かげき)な罰が(くだ)されたりしたのかな。




「でも、支配人じきじきに助けてもらえてよかったね」




 近くのテーブルで作業している晴琉くんにそう言われて、視線を向ける。

 店内のライトに照らされて、きれいに染まった金髪がきらきらと輝いて見えるのが、彼の容姿のよさをかき立てていた。

 右目の上で、根元を立ち上げるようにして分けられた前髪が、ぱっちりとした金色の目にすこしかかっている。


 文句なしのイケメンである晴琉くんは、私を横目に見て、「さすが特別な女の子」と小首をかしげながらほほえんだ。




「え、特別じゃないですよ…?私なんて平々凡々(へいへいぼんぼん)な一般女子ですから」


「あはは、結花さんはそう言うけど。中学1年のときからここで はたらいてるんでしょ?」