ファイルをめくる指先が、
少し汗ばんでいることに気づく。
冷房の効いた教室でも、生徒たちを思うと、
何かに身構えてしまう自分がいる。
ーー樋口 蓮、花山 響、三枝 理子。
この3人は似ている。
賢さを隠さず、静かで、我が道を行くタイプ。
樋口の母親は弁護士、花山の父親は医師、
三枝の父親は大企業の社員。
親の職業を聞けば、なるほどと思う背景だ。
育ちの良さがにじみ出ていて、
ある意味浮世離れしている。
学力に不安はない。でも、
彼らは孤独を自力で処理してしまう気質がある。
人と関わることでしか得られないものがある。
そう伝えたいのは、教師の傲慢だろうか。
ーー宮下 澪。
「 凛として真面目な生徒 」と
引き継いだはずだった。
けれど現実は、扱いが難しい。
Fに対する感情が複雑なのか、
それとも過去の何かが影響しているのか。
榊原萌子や藤井舞と一緒にいる姿を見ても、
どこか空気感が
" 混ざっていない " 印象を受ける。
成績はいいが、気がかりな生徒だ。
ーー立石 葵。
性同一性障害の仮診断を受け、
男子の体を持ちながら女性として生活している。
はじめは正直、扱いが不安だった。
でも蓋を開けてみれば、
彼女は、葵は、周囲とうまくやっている。
榊原 萌子や藤井 舞と
共に笑っていることが多く、
彼女らの理解力と感性には、
こちらが学ばされるものばかりだ。
ーー南雲しずく、一ノ瀬 悠。
どちらも成績は中程度。
目立つことなく過ごしている。
南雲 しずくは真面目だが、
テストになるとどこかで焦りが出るのか、
得点が安定しない。
一ノ瀬 悠は努力型だが、課題にムラがあり、
それが成績にも反映しているのだろう。
ーー榊原 萌子と、藤井 舞。
明るく、華やかな存在。
おしゃれで、教室の空気を軽くする子たち。
誰とでも笑顔で接し、トラブルも起こさない。
教師としては、ありがたい存在だ。
ーー根岸 幸太と、早乙女 俊。
クラスのムードメーカー的存在。
根岸は空気を読む力が高く、
真面目な場面ではきちんと切り替えられる。
早乙女 俊にはまだ未熟さが見えるが、
もう少し " 賢さ " が加われば、伸びるだろう。
ーー百瀬 梨々花と、朝比奈 千夏。
最初はあまり交わらないと思っていた2人が、
最近仲良くしている。
百瀬は明るいが、
人との距離感を見極めている節があったが、
朝比奈 千夏とは気が合うようだ。
千夏の家庭事情には心配していたが、
周囲のサポートで少しずつ戻ってきている様子。
そうした変化を見ると、
教師として、救われる気持ちになる。
ーー白石 遙華。
最も " 言及が難しい " 生徒だ。
成績は決して悪くないし、
周囲とトラブルもない。
だからこそ、何も見えない。
何かあったとき、
きちんと声をあげられる子なのだろうか――。
紗英の心のどこかで、そんな不安が残っていた。
少し汗ばんでいることに気づく。
冷房の効いた教室でも、生徒たちを思うと、
何かに身構えてしまう自分がいる。
ーー樋口 蓮、花山 響、三枝 理子。
この3人は似ている。
賢さを隠さず、静かで、我が道を行くタイプ。
樋口の母親は弁護士、花山の父親は医師、
三枝の父親は大企業の社員。
親の職業を聞けば、なるほどと思う背景だ。
育ちの良さがにじみ出ていて、
ある意味浮世離れしている。
学力に不安はない。でも、
彼らは孤独を自力で処理してしまう気質がある。
人と関わることでしか得られないものがある。
そう伝えたいのは、教師の傲慢だろうか。
ーー宮下 澪。
「 凛として真面目な生徒 」と
引き継いだはずだった。
けれど現実は、扱いが難しい。
Fに対する感情が複雑なのか、
それとも過去の何かが影響しているのか。
榊原萌子や藤井舞と一緒にいる姿を見ても、
どこか空気感が
" 混ざっていない " 印象を受ける。
成績はいいが、気がかりな生徒だ。
ーー立石 葵。
性同一性障害の仮診断を受け、
男子の体を持ちながら女性として生活している。
はじめは正直、扱いが不安だった。
でも蓋を開けてみれば、
彼女は、葵は、周囲とうまくやっている。
榊原 萌子や藤井 舞と
共に笑っていることが多く、
彼女らの理解力と感性には、
こちらが学ばされるものばかりだ。
ーー南雲しずく、一ノ瀬 悠。
どちらも成績は中程度。
目立つことなく過ごしている。
南雲 しずくは真面目だが、
テストになるとどこかで焦りが出るのか、
得点が安定しない。
一ノ瀬 悠は努力型だが、課題にムラがあり、
それが成績にも反映しているのだろう。
ーー榊原 萌子と、藤井 舞。
明るく、華やかな存在。
おしゃれで、教室の空気を軽くする子たち。
誰とでも笑顔で接し、トラブルも起こさない。
教師としては、ありがたい存在だ。
ーー根岸 幸太と、早乙女 俊。
クラスのムードメーカー的存在。
根岸は空気を読む力が高く、
真面目な場面ではきちんと切り替えられる。
早乙女 俊にはまだ未熟さが見えるが、
もう少し " 賢さ " が加われば、伸びるだろう。
ーー百瀬 梨々花と、朝比奈 千夏。
最初はあまり交わらないと思っていた2人が、
最近仲良くしている。
百瀬は明るいが、
人との距離感を見極めている節があったが、
朝比奈 千夏とは気が合うようだ。
千夏の家庭事情には心配していたが、
周囲のサポートで少しずつ戻ってきている様子。
そうした変化を見ると、
教師として、救われる気持ちになる。
ーー白石 遙華。
最も " 言及が難しい " 生徒だ。
成績は決して悪くないし、
周囲とトラブルもない。
だからこそ、何も見えない。
何かあったとき、
きちんと声をあげられる子なのだろうか――。
紗英の心のどこかで、そんな不安が残っていた。

