裏SNS " F " - 友か、秘密か -

担任である自分が、
どれだけ子どもたちの流れに気づけていたか。
それを思うと、反省が残る。



( 私、翻弄されてばかりだ…… )



反省と、焦りと、
少しの諦めが交じるような感情で、
ファイルを捲る。



ーー玉置 賢斗。



6月の期末では国数英満点。
教える側からしても驚くべき結果だった。

要領がよく、
試験の場でも力を発揮できる。

誰かに依存することなく、だが孤立もせず、
あの歳で " ちょうどいい距離 " を保てるのは
見事だと思う。



( もう少し大人に頼ってもいいのに…… )



ふと、彼に教師として頼られた記憶を探すが
思い浮かばない。



( ……私が、
頼るに足る大人だったら、違ったのだろうか )



紗英の胸の奥に、
ふと冷たい水が流れたような感覚がした。



ーー瀬川 琉生。



おそらく、" F " のヘビーユーザー。
成績は3位に落ちたが、
彼自身は順位に興味はなさそうだ。

頭がよく、時折危なっかしい考えを見せるが、
幼なじみである百瀬 梨々花がそばにいる限り、
人間らしさを保つだろう。



ーー大橋 詩帆。



生徒会副会長で、次期会長候補。
八雲大学への内部進学志望。

努力と成果が直結するタイプで、
2位という結果が自信に繋がっているみたいだ。

これから、少しは
肩の力が抜けてくれるといいな、と思う。



ーー桐島 翔。



人気も成績もトップクラス。
" 桐島派 " か " 瀬川派 " か――なんて言葉が、
クラスの外からも聞こえてくる人気者。

しかし彼自身はそんな外野の評価を、
どこか冷静に見ている気がする。

穏やかな表情を崩さず、素の感情を見せない。
彼の本音は、どこにあるのだろうか。



ーー日下部 律。



転校生であり、転入テストの点でF組に入った。

成績も安定していて、礼儀正しく、
課題も完璧に仕上げる。

最初は馴染めるか心配だったが、
最近は席が近くなった
桐島 翔とよく話している。