あの事件のこと。9年前の記憶。
【 宮下 澪は9年前に起きた殺人事件と繋がっている 】
──そう投稿したのは、しずくだ。
あれは、誰にも言えない秘密だった。
澪がいつか誰かに話すのではないか。
そんな不安が日々膨らんで、抑えきれなくなって。
先手を打つように投げたのが、Fへの投稿だった。
実際に関わっていたのは、しずくだ。
8歳のとき、自分の身を守るために──人を殺した。
正当防衛とされ、罪には問われなかった。
でも、それで済むほど、すべては単純ではない。
澪は、あの時も今も、
誰にも話していないようだった。
その優しさが、しずくには苦しかった。
「 私、澪ちゃんのことが心配なの 」
詩帆が、
少し息を整えるように言った。
「 自分のこと、
いつも後回しにしちゃうタイプで……。
萌子と舞と一緒にいるけど、
あの子、どこか無理してる感じがするし 」
「……うん」
しずくの返事は、かすれるように小さかった。
「 南雲さんのことも、きっと気にしてるよ。
いろいろあったけど、澪ちゃん、そういう子だよ 」
「 ……ありがとう 」
口には出したけれど、
しずくの胸の奥には、わずかな警戒が残る。
詩帆の優しさは本物なのかもしれない。
でも──優しさは、ときにいちばん怖い。
表面だけの正しさも、
無意識に人を傷つける " 善意 "。
今のしずくに、
それを受け止める余裕はなかった。
【 宮下 澪は9年前に起きた殺人事件と繋がっている 】
──そう投稿したのは、しずくだ。
あれは、誰にも言えない秘密だった。
澪がいつか誰かに話すのではないか。
そんな不安が日々膨らんで、抑えきれなくなって。
先手を打つように投げたのが、Fへの投稿だった。
実際に関わっていたのは、しずくだ。
8歳のとき、自分の身を守るために──人を殺した。
正当防衛とされ、罪には問われなかった。
でも、それで済むほど、すべては単純ではない。
澪は、あの時も今も、
誰にも話していないようだった。
その優しさが、しずくには苦しかった。
「 私、澪ちゃんのことが心配なの 」
詩帆が、
少し息を整えるように言った。
「 自分のこと、
いつも後回しにしちゃうタイプで……。
萌子と舞と一緒にいるけど、
あの子、どこか無理してる感じがするし 」
「……うん」
しずくの返事は、かすれるように小さかった。
「 南雲さんのことも、きっと気にしてるよ。
いろいろあったけど、澪ちゃん、そういう子だよ 」
「 ……ありがとう 」
口には出したけれど、
しずくの胸の奥には、わずかな警戒が残る。
詩帆の優しさは本物なのかもしれない。
でも──優しさは、ときにいちばん怖い。
表面だけの正しさも、
無意識に人を傷つける " 善意 "。
今のしずくに、
それを受け止める余裕はなかった。

