ーーテスト当日。
問題用紙を開いた瞬間、
澪は息を呑んだ。
文章量が多い。設問が抽象的。
考えさせられる。
( これ、平均点落ちそう…… )
ペンを握る手に
自然と力が入った。
悔しさも、不安も、
すべてを込めて。
そして、数日後。
教室の掲示板に
テストの順位が貼り出された。
「 ……9位 」
自分の名前を見つけた瞬間、
澪は小さく息を吐いた。
前回から、全く変わっていない。
( 8位と、8点差…… )
遠い世界を見るように顔を上げると、
――上位3人の名前には、
特別な印がついていた。
八雲大学 推薦 内定候補。
玉置 賢斗、大橋 詩帆、瀬川 琉生。
「 すげぇ……琉生、八雲推薦じゃん 」
「 まー、行くかは分かんねーけどな 」
根岸 幸太の驚いた声を、
瀬川 琉生は軽く交わす。
そんな彼らのすぐ横で、
百瀬 梨々花が
朝比奈 千夏と手を取り合っていた。
「 千夏すごい!一気に六人抜きじゃん!」
「 梨々花と琉生くんのおかげさまだよ…!」
「 今回難すぎ。ギリ、500点って感じ 」
「 あ、梨々花、俺のこと煽ってんだろ?」
「 バレた?」
はしゃぐ4人の後ろで、
大橋 詩帆が安堵の表情を浮かべる。
琉生を2点差で抜き、
2位へ上り詰めた彼女もまた
「 八雲大学推薦 」を手にしている。
2年生の澪たちにとって
大学受験や推薦は、まだ来年の話。
けれど、F組上位の生徒数名は
2年生のうちに推薦が届き、
3年生への進級のタイミングで
先行受験ができる。
大きな問題を起こさなければ、
進学への切符を手にできる仕組みになっていた。
未来が、静かに、
誰かにだけ差し出されていく。
「 みーお!
見て、澪のおかげで英語80いったぜ 」
舞が嬉しそうに答案を見せてくる。
「 よかった。今回、難しかったもんね 」
「 ね、
500点いってるか不安だったけどギリギリ。
……てか、律って頭よかったんだ?」
何気ない顔で話す舞。
けれど、その視線は、
桐島 翔や日下部 律と
楽しそうに笑っている
萌子へと向かう。
いつのまにか、
萌子と舞が並んでいる姿を、
あまり見かけなくなっていた。
問題用紙を開いた瞬間、
澪は息を呑んだ。
文章量が多い。設問が抽象的。
考えさせられる。
( これ、平均点落ちそう…… )
ペンを握る手に
自然と力が入った。
悔しさも、不安も、
すべてを込めて。
そして、数日後。
教室の掲示板に
テストの順位が貼り出された。
「 ……9位 」
自分の名前を見つけた瞬間、
澪は小さく息を吐いた。
前回から、全く変わっていない。
( 8位と、8点差…… )
遠い世界を見るように顔を上げると、
――上位3人の名前には、
特別な印がついていた。
八雲大学 推薦 内定候補。
玉置 賢斗、大橋 詩帆、瀬川 琉生。
「 すげぇ……琉生、八雲推薦じゃん 」
「 まー、行くかは分かんねーけどな 」
根岸 幸太の驚いた声を、
瀬川 琉生は軽く交わす。
そんな彼らのすぐ横で、
百瀬 梨々花が
朝比奈 千夏と手を取り合っていた。
「 千夏すごい!一気に六人抜きじゃん!」
「 梨々花と琉生くんのおかげさまだよ…!」
「 今回難すぎ。ギリ、500点って感じ 」
「 あ、梨々花、俺のこと煽ってんだろ?」
「 バレた?」
はしゃぐ4人の後ろで、
大橋 詩帆が安堵の表情を浮かべる。
琉生を2点差で抜き、
2位へ上り詰めた彼女もまた
「 八雲大学推薦 」を手にしている。
2年生の澪たちにとって
大学受験や推薦は、まだ来年の話。
けれど、F組上位の生徒数名は
2年生のうちに推薦が届き、
3年生への進級のタイミングで
先行受験ができる。
大きな問題を起こさなければ、
進学への切符を手にできる仕組みになっていた。
未来が、静かに、
誰かにだけ差し出されていく。
「 みーお!
見て、澪のおかげで英語80いったぜ 」
舞が嬉しそうに答案を見せてくる。
「 よかった。今回、難しかったもんね 」
「 ね、
500点いってるか不安だったけどギリギリ。
……てか、律って頭よかったんだ?」
何気ない顔で話す舞。
けれど、その視線は、
桐島 翔や日下部 律と
楽しそうに笑っている
萌子へと向かう。
いつのまにか、
萌子と舞が並んでいる姿を、
あまり見かけなくなっていた。

