裏SNS " F " - 友か、秘密か -

そして、次の日の朝。
HR前に更新された投稿が、
澪の目に飛び込んできた。



【 投稿主 ◇ 匿名 / TARGET ◇ 藤井 舞

藤井 舞がモデルやってたっていう噂は嘘。
オーディションに落ちまくってたってウワサ。

Point ◇ 100pt →→ 200pt!! 】



教室が、一瞬だけ静まりかえった。



何も言わずに自分の席に座っている舞。
その背中は小さく、
指先がわずかに震えていた。

澪が息を呑んだそのとき、
隣からすっと手が伸びた。



「 気にしなくていいよ、舞。
こんなの、ただのやっかみでしょ?」



萌子の声は柔らかかった。
けれどその横顔に、澪は違和感を覚えた。

微笑む唇の奥で、
目だけがどこか遠くを見ている。

まるで、本当は
別のことを考えているかのような目。



そして、昼休み。
萌子が「トイレ」と言って席を立った瞬間、
舞が不意に言った。



「 ねえ、澪。今日さ、カフェ行かない?」

「 ……カフェ?」

「 隣の駅にできたとこ。
前から行きたかったんだ。
テスト勉強も兼ねてさ 」



その誘いに澪は少しだけ迷ったが、頷いた。



ーー放課後。



舞はいつも通り
萌子と一緒に帰っていった。



しかし、澪が電車に乗ってすぐ、
スマホに通知が届く。



《 ごめん。先にカフェで待ってて 》



驚きつつもそのカフェへ向かうと、
少し経って、舞が現れた。



「 遅れてごめーん。萌子には、
塾に行くってことにしたから、内緒ね 」

「 ……うん。いいの? 」

「 いいのいいの。ほら、やろ 」



ふたりは静かなカフェの隅で、
ときどき雑談を交えながら課題を進める。



その日を境に、放課後、

少しの時間教室で勉強した後は
カフェに移り、

澪と舞の2人だけでの勉強が始まった。



ーー数日後。



放課後の教室で、萌子が唐突に言った。



「 ごめん、ちょっと寄るとこあるから。
今日は無理かも 」



それだけ言って、
教室を出ていった萌子の背中は、
どこか冷たく見えた。

その日を境に、
萌子は放課後の教室に残らなくなった。