裏SNS " F " - 友か、秘密か -

数日後の朝。
" F " からの通知が萌子のスマホに届いた。



【 虚偽投稿が 桐島 翔 により証明されました。
投稿主 ( あなた ) から110ptを没収 】



「 ……は?」



教室に微かなざわめきが広がる。
急いでスマホを確認すると、

萌子のアカウントから
ポイントが没収されていた。



( ……なんで、翔が?
しかもわざわざ樋口の投稿を?)




舞と葵もスマホを開き、
驚いた声を上げる。

萌子は顔を上げて翔を探したが、
まだ来ていない。



結局、翔はその日、
珍しくHRギリギリで教室へ入ってきた。



ーー昼休み。



翔の姿を見つけた萌子は、
舞たちと離れると、
タイミングを見計らって声をかけた。



「 ねえ、あれ。翔が証明したんだよね?」



翔は手にした焼きそばパンを一瞥してから、
ゆっくりと萌子の方を向いた。



「 ああ、うん。律と一緒に、ちょっとな 」

「 律って……日下部、律?」

「 席近くなってさ。いいやつだよ。
結構鋭いし、頭回るし 」



翔の目が、ふっと輝いた。

まるで秘密兵器を手にした子どもが、
誰かに見せたくて

うずうずしているような感じ。



萌子は、
翔の表情を冷静に見つめながら、
心の奥でそっと予感した。



( 今の " F " の鍵は、この5人だ )



これまでクラスの視線は、

自分たち――
萌子や舞、澪の周囲に集まっていた。

だが今、流れが変わり始めている。



ーー翔と律。
2人が握っている何かが、
おそらく " F " の次を動かす。



ーーなら、近づくしかない。



「 じゃあ、今度わたしにも教えてよ。
律くんと話してみたいし 」

「 ああ、いいよ。言っとく 」



萌子の目には、
新しいゲームが映っていた。

今度のターゲットは、翔と律ーー
" F " の中枢だ。