裏SNS " F " - 友か、秘密か -

ある日の放課後。



琉生と根岸は
予定があると言って先に帰って行き、

千夏は久しぶりに
梨々花とふたりきりになった。



静かな教室で、ペンの音だけが響く中、
梨々花がふと呟いた。



「 あのさ、私も F に投稿したことあるよ 」

「 えっ…… 」

「 実は、初日。
『 桐島翔はテスト前になると〜 』ってやつ。

書いてたら、
なんか自分も投稿されてたけどね 」



千夏の手が止まる。



あっけらかんとしたその顔に、

どこか裏切られたような、
けれども同時に

安心したような気持ちが交わる。



「 ……ごめん。私も、梨々花のこと……
『 琉生に勉強教えてもらってる 』って投稿。
あれ、書いたの私なんだ 」



千夏が打ち明けると、
梨々花はくすっと笑った。



「 いいよ、別に。事実だし。
……ていうか、なんかそんな気がしてたし 」



そして、少し照れくさそうにこう言った。



「 うちのクラスの女子、
萌子と舞はノリはいいけどちょっと苦手でさ。

あとは、
なんか絡み方分からないばっかで……
だから、千夏がいてくれてよかった 」



その言葉に、
胸がじんわりと暖かくなった。



大変な生活は、
まだ変わらないけれど。

それでもこの日、
千夏はようやく少しだけ、



ーー肩の荷が軽くなった気がした。