裏SNS " F " - 友か、秘密か -

そんな中、

自分の順位について
語り終えたクラスメイトは

一番下にある名前に静かに注目を集める。



学年38位――朝比奈 千夏。489点。



ほんの少しだけ、
ざわめきが止まった気がした。



「 ……あれ、千夏ちゃんって 」



榊原か藤井あたりが、
出しかけた声を止める。



言葉こそ出さないが、
" F組の基準 " という無言のラインがあった。



代々、
特別選抜クラスのF組の中で
500点以下は " 下 " と見なされる。



そういった空気が、
暗黙のうちに
学校に染みついている。



誰かが千夏の方をちらりと見た。
千夏はボードの掲示を見ず、

配られた個人の成績表を片手に、
席でぼんやりと窓の外を眺めている。



( ……気にしてないように見えるけど )



それが強がりなのか、
本心なのか、
悠には分からない。



ただ、彼女の存在を
遠ざけるような空気だけが、
じわじわと広がっているように感じた。



悠は、自分の順位に視線を落とす。

前回より2つ下がってはいたが、
得点自体は大きく変わっていない。

数学だけ見れば、むしろ上がっている。



( ……翔のおかげ、か )



そう思ったところで、
鴨田先生の声が教室に響いた。



「 明日の朝、席替えをします。
荷物は今日中に持ち帰ってくださいね 」



教室がざわめく。



2年F組の席順は、
定期テストの成績順ーー

4月末に書き込まれていた
ある投稿を思い出す。



新しい秩序が、
またひとつ築かれようとしていた。