( ……楽しそうに見えるなら、
それでいいけど )
4人の笑い声や、
ノートを見せ合う仕草を
ぼんやりと眺めていると、
目の前に座っていた
桐島 翔がふいに顔を上げた。
「 気になる?」
悠は少しだけ肩をすくめる。
「 別に。ああいうの、よくあるし 」
「 そっか。
……宮下ちゃん、
ほぼ教える側になっちゃってるね。
あれじゃ、
自分の勉強できてなさそう 」
翔の口調はいつも通り軽いが、
どこか核心を突いている。
テスト期間に入ってから、
悠と翔は放課後に
一緒に勉強するようになっていた。
翔の頭の回転は早く、
説明も的確で、
正直なところ
かなり助かっている。
だが、それ以前から、
翔は悠に距離を詰めようとしている。
明らかに、意図的に。
( ……投稿してることに、気づいてる?
それとも、慎 陸人のこと?)
思考が揺れる。
だがその一方で、
翔とこうして一緒にいることで
救われている自分も確かにいた。
「 ここ。いったんグラフ描いちゃえば、
整理しやすいと思うよ 」
「 あ……うん。なるほど、そっか 」
「 このテキスト、使いやすいから貸す。
このへん解いてみなよ 」
渡された問題集は
書き込みがびっしりで、
使い込まれているのがひと目で分かる。
悠はその一冊を手にしながらも、
素直に感謝の言葉が浮かばない自分に気づく。
――翔は、何が目的なのだろう。
疑念は胸の奥に沈んだまま、
言葉にならなかった。
ーーテスト当日。
教室には筆記音だけが響き、
時間の経過と共に
焦りと緊張が張り詰めていく。
それでいいけど )
4人の笑い声や、
ノートを見せ合う仕草を
ぼんやりと眺めていると、
目の前に座っていた
桐島 翔がふいに顔を上げた。
「 気になる?」
悠は少しだけ肩をすくめる。
「 別に。ああいうの、よくあるし 」
「 そっか。
……宮下ちゃん、
ほぼ教える側になっちゃってるね。
あれじゃ、
自分の勉強できてなさそう 」
翔の口調はいつも通り軽いが、
どこか核心を突いている。
テスト期間に入ってから、
悠と翔は放課後に
一緒に勉強するようになっていた。
翔の頭の回転は早く、
説明も的確で、
正直なところ
かなり助かっている。
だが、それ以前から、
翔は悠に距離を詰めようとしている。
明らかに、意図的に。
( ……投稿してることに、気づいてる?
それとも、慎 陸人のこと?)
思考が揺れる。
だがその一方で、
翔とこうして一緒にいることで
救われている自分も確かにいた。
「 ここ。いったんグラフ描いちゃえば、
整理しやすいと思うよ 」
「 あ……うん。なるほど、そっか 」
「 このテキスト、使いやすいから貸す。
このへん解いてみなよ 」
渡された問題集は
書き込みがびっしりで、
使い込まれているのがひと目で分かる。
悠はその一冊を手にしながらも、
素直に感謝の言葉が浮かばない自分に気づく。
――翔は、何が目的なのだろう。
疑念は胸の奥に沈んだまま、
言葉にならなかった。
ーーテスト当日。
教室には筆記音だけが響き、
時間の経過と共に
焦りと緊張が張り詰めていく。

