週末、
琉生は梨々花の家を訪れた。
第二の親のような
梨々花の母親に挨拶をし、
梨々花の部屋に繋がる階段を上がる。
「 よー。……梨々花、まだ寝てんの?」
「 起きてる起きてる、
今ジュース持ってくから 」
リビングから聞こえる
梨々花の声には返さず、
二階の部屋に上がりこむと、
勝手にゲーム機の電源を入れる。
最新のコンシューマー機は、
先日琉生が買ったものだが、
半ば強引に
梨々花の部屋に置かせてもらっている。
「 ごめん、
炭酸しかなかったから、水持ってきた 」
「 ありがと。
つか相変わらずきれいな部屋だなー、
F に投稿したらバズりそう 」
琉生のよりずっと広い
梨々花の部屋は
いつも整っていて、
居心地がいい。
幼馴染みという距離感が、
気楽さを許してくれる。
「 またFの話?ほんと飽きないね、琉生 」
「 飽きる要素がない。
最近じゃ、ねぎくんも投稿始めたし 」
「 へぇ……
それ、あんたが焚きつけたんでしょ」
梨々花はジュースを差し出しながら笑った。
「 まぁ、ちょっとね 」
テレビ画面にキャラが映り込む。
梨々花に片方のコントローラーを渡し、
二人でテレビの前に並んだ。
ロード画面を横目に見ながら、
スマホを取り出して、
" F " の投稿を見返す。
【 投稿主 ◇ 匿名 / TARGET ◇ 榊原 萌子
榊原 萌子は自分でお弁当を作ってる
Point ◇ 610pt 】
ねぎが載せたものだ。
ターゲットに萌子を選ぶところや、
ネタの内容に、
平和主義の
ねぎっぽさが溢れている。
萌子のお弁当が
本当に自作かは知らないが、
嘘だとしても、
証明はしないだろう。
むしろ萌子にとっても
プラスのようなものだ。
画面が切り変わり、
コントローラーを握り直しながら呟く。
「……さ、次は誰にしよっかなー 」
数多くの投稿を重ねている 桐島 翔、
虚偽投稿を書き込んだと思われる 早乙女 俊、
そしておそらく、
ある過去を萌子にも明かしていない 藤井 舞。
琉生にはまだ、
" 持ちネタ " が多く残っている。
その夜、ふたりはいつものように
近所のファストフード店へ立ち寄った。
カウンター席に並んで座り、
片方のトレイを梨々花の前に置く。
「 はい、梨々花の分。
今日はチーズバーガーとポテト特盛な 」
「 うわ、やけに豪華。またFで稼いだ?」
「 まあな。おれの経済、F依存 」
「 堕ちたなあ、瀬川くん 」
梨々花はからかうように言いながら、
何の遠慮もなくポテトをつまむ。
こうしておごるのは、
もう完全にルーティンだ。
会話はそのまま、
" F " から離れた日常の話題へと
自然に流れていく。
百瀬が最近ハマっているドラマの話、
明日ある体育のこと、
勉強がまったく頭に入らないという愚痴――
琉生は丁寧に相槌を打ちながら、
それを聞いていた。
「 でさ、
結局その問題、まだ解けないんだけど。
琉生、あとで教えてよ 」
「 いいよ。ここ出たら、うち寄ってく?」
「 行く。
プリント全部持ってきたから、よろしく 」
「 ……報酬は今度
購買の肉サラダってことで?」
「 もちろん。てか、それ以上払えません 」
店を出たあと、
ふたりは琉生の家へ向かった。
琉生は梨々花の家を訪れた。
第二の親のような
梨々花の母親に挨拶をし、
梨々花の部屋に繋がる階段を上がる。
「 よー。……梨々花、まだ寝てんの?」
「 起きてる起きてる、
今ジュース持ってくから 」
リビングから聞こえる
梨々花の声には返さず、
二階の部屋に上がりこむと、
勝手にゲーム機の電源を入れる。
最新のコンシューマー機は、
先日琉生が買ったものだが、
半ば強引に
梨々花の部屋に置かせてもらっている。
「 ごめん、
炭酸しかなかったから、水持ってきた 」
「 ありがと。
つか相変わらずきれいな部屋だなー、
F に投稿したらバズりそう 」
琉生のよりずっと広い
梨々花の部屋は
いつも整っていて、
居心地がいい。
幼馴染みという距離感が、
気楽さを許してくれる。
「 またFの話?ほんと飽きないね、琉生 」
「 飽きる要素がない。
最近じゃ、ねぎくんも投稿始めたし 」
「 へぇ……
それ、あんたが焚きつけたんでしょ」
梨々花はジュースを差し出しながら笑った。
「 まぁ、ちょっとね 」
テレビ画面にキャラが映り込む。
梨々花に片方のコントローラーを渡し、
二人でテレビの前に並んだ。
ロード画面を横目に見ながら、
スマホを取り出して、
" F " の投稿を見返す。
【 投稿主 ◇ 匿名 / TARGET ◇ 榊原 萌子
榊原 萌子は自分でお弁当を作ってる
Point ◇ 610pt 】
ねぎが載せたものだ。
ターゲットに萌子を選ぶところや、
ネタの内容に、
平和主義の
ねぎっぽさが溢れている。
萌子のお弁当が
本当に自作かは知らないが、
嘘だとしても、
証明はしないだろう。
むしろ萌子にとっても
プラスのようなものだ。
画面が切り変わり、
コントローラーを握り直しながら呟く。
「……さ、次は誰にしよっかなー 」
数多くの投稿を重ねている 桐島 翔、
虚偽投稿を書き込んだと思われる 早乙女 俊、
そしておそらく、
ある過去を萌子にも明かしていない 藤井 舞。
琉生にはまだ、
" 持ちネタ " が多く残っている。
その夜、ふたりはいつものように
近所のファストフード店へ立ち寄った。
カウンター席に並んで座り、
片方のトレイを梨々花の前に置く。
「 はい、梨々花の分。
今日はチーズバーガーとポテト特盛な 」
「 うわ、やけに豪華。またFで稼いだ?」
「 まあな。おれの経済、F依存 」
「 堕ちたなあ、瀬川くん 」
梨々花はからかうように言いながら、
何の遠慮もなくポテトをつまむ。
こうしておごるのは、
もう完全にルーティンだ。
会話はそのまま、
" F " から離れた日常の話題へと
自然に流れていく。
百瀬が最近ハマっているドラマの話、
明日ある体育のこと、
勉強がまったく頭に入らないという愚痴――
琉生は丁寧に相槌を打ちながら、
それを聞いていた。
「 でさ、
結局その問題、まだ解けないんだけど。
琉生、あとで教えてよ 」
「 いいよ。ここ出たら、うち寄ってく?」
「 行く。
プリント全部持ってきたから、よろしく 」
「 ……報酬は今度
購買の肉サラダってことで?」
「 もちろん。てか、それ以上払えません 」
店を出たあと、
ふたりは琉生の家へ向かった。

