裏SNS " F " - 友か、秘密か -

数日後。



琉生は自分の部屋で
スマホを操作していた。



「 ……ん?」



気になって

" F " のログイン画面を
いじっていると、

新規登録のボタンが目に入る。



( ……これ、
アカウントもう一個作れるんじゃね?)



試しに
別のメールアドレスを入力すると、
あっさりと新アカウントが完成した。



「 ……できた。マジかよ 」



興奮と共に
笑みがこぼれる。



琉生はすぐさま、
最初の投稿をしてみる。

他人のふりをして、
何気ない書き込み。



【 投稿主 ◇ 匿名 / TARGET ◇ 瀬川 琉生

瀬川 琉生は炭水化物を控えている

Point ◇ 120pt 】



次に、本アカウントを確認すると、
新着投稿の通知が来ていた。



( ……いける。これ、ゲームとして成立する )



しかも、
おそらくほとんどのクラスメイトは
この仕組みに気づいていない。



無意識に、
口角が上がった。



週の中頃、昼休みに購買で
桐島 翔と萌子が
話しているのを見かけた。



( あーあ、まただよ。懲りねーな、あいつ )



萌子が翔に視線を注ぐその目には、
どこかしら未練が漂っている。

それが琉生には、
どうしようもなく鼻についた。



( ガキだな。
まだ翔のこと好きなの、バレバレ )



内心で鼻を鳴らす。

【 榊原 萌子は桐島 翔に告白してフラれた 】

という投稿をしたのは、他ならぬ琉生だ。



あのとき、
偶然聞こえてきた萌子の言葉。



「 翔ってモテそう。なんか特別感ある 」



その瞬間を " 告白 " と判断し、
投稿に変えた。
だが――証拠不十分。

虚偽投稿と見なされ、
ポイントはごっそりと没収された。
琉生は肩をすくめる。



( まあ、仕方ないっしょ )



失敗は、
データの一部にすぎない。



翔は友達だが、
その立ち位置を崩せるなら

――その可能性は、
常に目の端で計測している。



多くが数値で測れる世界に、
情は不要だ。