裏SNS " F " - 友か、秘密か -

翔が視線を移すと、
教室の一角で
百瀬 梨々花と朝比奈 千夏が話していた。



「 ねえ、" F " ってさ、本当にお金になるの?」

「 どうだろう。
でも琉生、最近明らかに羽振りいいからな〜 」

「 琉生くん、賢いもんね 」



その何気ないやりとりに、
翔は目を細める。



梨々花と琉生には、
どこか、通じ合っているような雰囲気がある。



2人が同じ中学であることを
" F " 投稿したのは翔。

けれど
もっと深い関係性だ。



千夏は何も知らず、
他愛もない会話をしているつもりなのだろう。



周囲では、
少しずつ変化が起きている。



誰が何を買ったらしい。
誰が " F " で稼いでいる。

そんな声が、
教室の隅や廊下の奥から
度々聞こえてくるようになった。



クラスメイトが売られて、
別のクラスメイトが得をしている。



誰もが注目の的になり得るが、

その中心にいるのが
誰なのか、

まだ明確ではない。



その曖昧な状況は

翔には
とても心地よく、

そして、都合がよかった。