裏SNS " F " - 友か、秘密か -

そして翌朝。
HRの前に、昨夜詩帆がまとめたスクショを
【 虚偽投稿の証明 】のページから送信する。



数分後、
通知音が教室に連続して響いた。



【 虚偽投稿が
榊原 萌子 により証明されました。

投稿主 ( 匿名 ) 、投稿主 ( 匿名 )から
それぞれ 300pt、580ptを没収 】



「 ……おお、マジで?」



舞が驚きながら、
スマホの画面をこちらに向ける。

それを丁寧な顔で見た詩帆も
満足げな顔で、安心したように笑った。



「 うわ!なにこれ、
こうやって証明されんのな!」

「 日下部〜、こっちもやろーぜ 」



いつもの位置
ーー教室右前方から、
根岸 幸太と瀬川 琉生の声が響く。



結局、
投稿者の正体は分からないままだったが、
クラスは空気が変わった。



嘘を書けばバレる。
書かれた側にも、やり返す手段がある。

報酬とリスクが、
" F " の前に等しく並んだ。



その日の放課後、
1人で自販機でジュースを選んでいると、
翔が珍しく声をかけてきた。



「 榊原、けっこう根性あるんだな 」

「……まあね 」



翔はそれだけ言うと、
飲み物も買わずに去っていった。



( 話しかけてくる義理があるなら、
否定してくれればよかったのに )



もしかしたら翔は
この " F " という場を、

一種のゲームとして
捉えているのかもしれない。


 
数日後。

萌子が髪を溶かしているすぐ横で、
席に寄りかかっている詩帆が、

真剣な表情をしながらスマホを操作する。



「 詩帆、何してんの?」



舞が明るく、

けれど何かを
警戒するような声で尋ねると、

詩帆は嬉しそうにスマホを見せてきた。



画面には " F " での投稿履歴が、
時系列順に
丁寧に並べられている。



「 ……何でこんなメモとってんの 」

「 分析してるの。何か法則が掴めれば、誰が何を書いてるのかなわかるかもしれないし 」



その正義感が、
萌子にはうっとうしい。



( 上手くいったからって、良い子ぶんなよ )



もちろん、口にはしない。
大橋 詩帆は、
何かというときに役に立つ。