裏SNS " F " - 友か、秘密か -

【 投稿主 ◇ 匿名 / TARGET ◇ 三枝 理子

三枝理子はバイト先の先輩と付き合っている。

Point ◇ 80pt 】



やはり真っ先に反応するのは、
クラスの中心人物と化した
榊原 萌子、藤井 舞の2人。



「 え、理子ってそんなタイプ?」

「 真面目ぶって裏ではそうなんだ~ 」



前の席でひそひそと、
けれど聞こえるように話している。



理子はノートから顔を上げず、
表情を変えない。

けれど、ペンを持つ手が
強く握られているのが分かった。



宮下 澪は
そんな理子を一瞥してから、
スマホの画面に目を戻す。



【 投稿主 ◇ 匿名 / TARGET ◇ 榊原 萌子

榊原 萌子は早乙女俊と付き合っていたが別れた

Point ◇ 190pt 】



【 投稿主 ◇ 匿名 / TARGET ◇ 玉置賢斗

玉置賢斗は親が裏でやばい仕事をしてる

Point ◇ 410pt 】



「 萌子書かれてんじゃん 」

「 嘘でも稼げるって分かったからって、
単純すぎ 」



煽る舞をあしらい、
萌子は呆れたようにスマホを伏せるが、
どこか演技がかっているようにも見える。



「 やばいってなに?曖昧すぎじゃん 」

「 なんかもう、こいつネタ切れじゃね?」



梨々花と琉生がそう言って笑い、

根岸 幸太は
「 やばい仕事ってなんだよ〜 」と

琉生の前に座る玉置 賢斗をつつく。



「うちの親、占い師だからなー。
多分そのへんディスってんだろ 」



玉置 賢斗は振り向くと、
そう軽く言って、手をひらひらと振る。



けれどその視線は、
わずかに棘を持っていたのを
澪は見逃さなかった。



話題は移ろう。

人の注目も、
興味や関心も、

数時間のうちに移動していく。



風化。それは、救いでもあり、
執行猶予のようなものでもある。



澪は気づいていた。

一度刻まれた疑いは、
心のどこかに澱のように

残り続けることを。



澪の隣で、
しずくがポケットからスマホを取り出した。

ディスプレイに触れる。
その指が、わずかに震えていた。