裏SNS " F " - 友か、秘密か -

翌朝、窓から差し込む光がまぶたを揺らす。

陸人が寝ぼけ眼で手探りにスマホを手に取り、
ロックを解除したとき——



「 ……あれ?」



ホーム画面の中に、
見覚えのないアイコンがあった。

黒い背景に、白い文字で " F " と書かれている。
シンプルなのに、妙に洗練されたデザイン。



「 こんなの、入れたっけ……?」



昨夜、変なアプリを触った記憶もない。
通知もなければ、インストールの痕跡もない。

不思議に思いながらも、
指先でそのアイコンをタップする。



スマホの画面が一瞬暗くなり、
黒背景に白い文字が浮かび上がった。

 

【 Hello , 星楊高校 2年2組の皆さん 】

 

「 ……は?」



思わず声が漏れる。目を疑った。
クラス名まで、正確に表示されている。



ーー誰かが悪戯で仕込んだ?
それとも、ウイルス?



でも、スマホは誰も触らせていない。
パスコードも顔認証も、
しっかりかけていたはずだ。

それなのに、この文章は
まるで何かを知っているような口ぶりだ。

 

【 TARGETを選択してください 】

 

新しい文字が表示される。

指先が、うっすらと震えた。
言いようのない不安が
体にじわりと広がっていく。



朝の光が差し込む、
何も変わらないはずの部屋。

陸人は黙ったまま、
その画面を見つめていた。