裏SNS " F " - 友か、秘密か -

ーー翌朝。



昇降口で上履きを履き替えながら、
悠は校舎を見上げた。
" F " のない朝は、やけに静かだ。



教室に入ると、
大橋 詩帆が笑顔でプリントを配っていた。



「 はい、これ体育祭の種目希望表!
今日中に出してくださーい!」

「 またリレーあるの?」

「 玉入れとか
マジで真剣にやるやつ出てくるからウケる 」

「 いや俺バトン落とす自信しかない 」



梨々花、瀬川 琉生、根岸 幸太の
他愛もないやり取りに、数人が笑う。

クラスメイトたちの顔は、
どこか抜け殻のような空気があった。



( ……戻ってきたんだ )



鴨田先生が教室に入ってきて
朝のHRが始まった。



「 改めて、テストお疲れさまでした。
席替えは数日後に行います 」



鴨田先生はそう言ってから、
一瞬だけ教室を見つめて——ふっと、笑った。



「 ここからは、体育祭、そして文化祭。
全力で楽しんでいきましょう!」



" 楽しむ " という感覚が、
ようやく戻ってきたような気がした。