裏SNS " F " - 友か、秘密か -

ファストフード店。注文カウンターで
響と梨々花の分のバーガーセットを頼み、

自分はいつもどおり
チキンサラダとアイスティー。
席に座ると、響がいつもの調子で口を開いた。



「 まさか、夏休みに会うとは思わなかった。
しかも、百瀬さんまで 」

「 暇だっただけだしー 」



梨々花はポテトをつまみながら、飄々と答える。



「 てか、琉生。
やっぱり炭水化物、避けてるんだね。
Fに投稿してたよな、自分で 」

「え、あれ自分で書いてたの?」



梨々花が振り向く。



「 ん、そうだけど?」



俺は肩をすくめる。



「 ミスリードのためだよね 」

「 さすが響。俺のことわかってんじゃん 」




梨々花は呆れた顔で「 軽っ 」と呟くと、
チーズバーガーにかぶりいた。



テーブルにスマホを並べ、検索を始める。
キーワードは「 南雲 雪 」。ヒットしたのは——



「 歩道橋から、落とされた……?」



記事には、9年前の事件が記載されていた。

8歳の女の子が、知らない男性に声をかけられ、
揉み合いの末、男が歩道橋から落ちて死亡した。

加害者か被害者か、記事によって温度差がある。



「 正当防衛って書かれてるね 」

「 なんか、微妙に濁してるけどな 」



梨々花が興味ありげに覗き込む画面を、
琉生は一定のテンポで
スクロールしながら答える。

しばらくして、
何かを熱心に探していた響が顔を上げた。



「 ……あった。写真、これじゃない?」



画面に映ったのは、
ランドセルを背負った少女の顔。
名前は「 南雲 雪 」。



スマホを手に取った梨々花が、ぽつりと呟く。



「 これ、しずくじゃん 」