「行きましょう」
そう言って、セイラムは歩みを進め、一向は王居室に入った。
美しい黄金の装飾が施された王座に、ローザン国王、シルフィ=ローザンは鎮座していた。
その隣には女王エイリーナが寄り添い、少し離れたところにミトの夫となるセルファ王子が控えていた。
他にも宰相らしき人、護衛と思われる者、侍女たちがそれぞれの位置に立っている。
部屋中の至る所に、宝石が散りばめられた装飾品があった。
ローザン王国は、あらゆる宝石と金の埋蔵量が多く、経済的にとても豊かな大国だ。
「遠いところから良く来てくださった」
シルファは立ち上がり、歓迎の意を表す。
「お久しぶりです。シルファ国王」
ミトはその場で深くお辞儀をした。
「長い時間馬車に揺られてさぞ疲れたことでしょう?」
エイリーナが労いの言葉をかける。
「いえ、見るもの全てが珍しく、楽しい旅でございました」
これはミトの本心だ。疲れてはいるけれど。
「そうは言っても長旅だ。正式な紹介は明日の晩餐会に行うから、今日はゆっくり休むがいい」
「あの、シルファ国王」
「どうした」
「我が国から、私の侍女として2人同行させました。それから、道中の護衛として騎士団長のダケルも同行しています」
「皆まで言わなくても良い」
シルファは遮るように、しかし穏やかに言う。
「話は前もって聞いている。エイナ=アルカと、マリア=ユフカ、で良いな」
目をシッカリ合わせ、一国の王に名を呼ばれ、2人は思いっきり恐縮しながら膝まづいて深く頭を下げる。
「部屋はそれぞれに用意している。それから、ダケル騎士団長。久しいな」
「名を覚えて下さっていたとは、真に光栄です」
最大の敬意を込めて、敬礼をするダケル。
ダケルはギダの護衛として何度もローザン王国を訪れたことがあり、シルファとも面識があった。
そう言って、セイラムは歩みを進め、一向は王居室に入った。
美しい黄金の装飾が施された王座に、ローザン国王、シルフィ=ローザンは鎮座していた。
その隣には女王エイリーナが寄り添い、少し離れたところにミトの夫となるセルファ王子が控えていた。
他にも宰相らしき人、護衛と思われる者、侍女たちがそれぞれの位置に立っている。
部屋中の至る所に、宝石が散りばめられた装飾品があった。
ローザン王国は、あらゆる宝石と金の埋蔵量が多く、経済的にとても豊かな大国だ。
「遠いところから良く来てくださった」
シルファは立ち上がり、歓迎の意を表す。
「お久しぶりです。シルファ国王」
ミトはその場で深くお辞儀をした。
「長い時間馬車に揺られてさぞ疲れたことでしょう?」
エイリーナが労いの言葉をかける。
「いえ、見るもの全てが珍しく、楽しい旅でございました」
これはミトの本心だ。疲れてはいるけれど。
「そうは言っても長旅だ。正式な紹介は明日の晩餐会に行うから、今日はゆっくり休むがいい」
「あの、シルファ国王」
「どうした」
「我が国から、私の侍女として2人同行させました。それから、道中の護衛として騎士団長のダケルも同行しています」
「皆まで言わなくても良い」
シルファは遮るように、しかし穏やかに言う。
「話は前もって聞いている。エイナ=アルカと、マリア=ユフカ、で良いな」
目をシッカリ合わせ、一国の王に名を呼ばれ、2人は思いっきり恐縮しながら膝まづいて深く頭を下げる。
「部屋はそれぞれに用意している。それから、ダケル騎士団長。久しいな」
「名を覚えて下さっていたとは、真に光栄です」
最大の敬意を込めて、敬礼をするダケル。
ダケルはギダの護衛として何度もローザン王国を訪れたことがあり、シルファとも面識があった。



