名残惜しそうに王宮に帰るセルファを見送った後、ティアラは今夜の出来事を思い返していた。
思わず赤面してしまう。
そんな自分を諫めるように、ティアラは客観的にセルファを分析しようとする。
(セルファってやっぱりすごいわ)
それとも、一国の王となる立場の人にとっては、当たり前なのだろうか。
ユフィーリオを愛しているのに、側室である自分にここまでしてくれるのは、それが務めだからだろうか。
あまりにも甘い雰囲気に、ティアラは勘違いしてしまいそうだった。
(でも、それは一番危険だわ)
セルファはどう見てもユフィーリオを特別視しているし、ティアラが一生側室のままなのは確実だ。
だから、冷静でいなければならない。
せめて、側室の中の一番であるために。
(アメリアに負けているとは思えないけど、ミトはどうかしら。もしも、彼女の行動力を魅力に感じてしまったら、どうすればいいのかな…)
物珍しさが興味を引いて、そこから愛情が強まるかもしれない。
自分や相手の地位関係なく誰に対しても屈託なく会話を楽しむミトは、ティアラから見ても異質な王族だった。
ラミリアとの交流はほとんどなかったため情報がわからないが、とても大らかな風土の国なのだろう。
異質ではあるが、ミトのカラッとした性格をティアラは好ましく思っている。ミトとはずっと友達でいたい。
だからこそ、自分はずっと側室の中の一番を保たなければならない。ミトを憎むような事態にならないために。
ティアラはテーブルに置かれたティーポットを見た。
(あのハーブは効果あったかしら?)
疲労回復に効くと言って影に飲ませたハーブは、男女問わず妊娠力を高める効果があることで有名だった。
ティアラは昨日から何度もこのハーブを入れたお茶を飲んでいる。
ああ、早く妊娠したい。
一番に。
ユフィーリオより先に。
それが、自分の存在価値をゆるぎないものにする唯一のものだとティアラは考えていた。
絶対に、自分が一番先に男の子を身篭ってみせる。
この目標が今のティアラを支えていた。
思わず赤面してしまう。
そんな自分を諫めるように、ティアラは客観的にセルファを分析しようとする。
(セルファってやっぱりすごいわ)
それとも、一国の王となる立場の人にとっては、当たり前なのだろうか。
ユフィーリオを愛しているのに、側室である自分にここまでしてくれるのは、それが務めだからだろうか。
あまりにも甘い雰囲気に、ティアラは勘違いしてしまいそうだった。
(でも、それは一番危険だわ)
セルファはどう見てもユフィーリオを特別視しているし、ティアラが一生側室のままなのは確実だ。
だから、冷静でいなければならない。
せめて、側室の中の一番であるために。
(アメリアに負けているとは思えないけど、ミトはどうかしら。もしも、彼女の行動力を魅力に感じてしまったら、どうすればいいのかな…)
物珍しさが興味を引いて、そこから愛情が強まるかもしれない。
自分や相手の地位関係なく誰に対しても屈託なく会話を楽しむミトは、ティアラから見ても異質な王族だった。
ラミリアとの交流はほとんどなかったため情報がわからないが、とても大らかな風土の国なのだろう。
異質ではあるが、ミトのカラッとした性格をティアラは好ましく思っている。ミトとはずっと友達でいたい。
だからこそ、自分はずっと側室の中の一番を保たなければならない。ミトを憎むような事態にならないために。
ティアラはテーブルに置かれたティーポットを見た。
(あのハーブは効果あったかしら?)
疲労回復に効くと言って影に飲ませたハーブは、男女問わず妊娠力を高める効果があることで有名だった。
ティアラは昨日から何度もこのハーブを入れたお茶を飲んでいる。
ああ、早く妊娠したい。
一番に。
ユフィーリオより先に。
それが、自分の存在価値をゆるぎないものにする唯一のものだとティアラは考えていた。
絶対に、自分が一番先に男の子を身篭ってみせる。
この目標が今のティアラを支えていた。



