セルファと影は、通常であれば影が夜の仕事を終わらせた後に、お互いの情報を共有するため顔を合わせることになっている。
場所はセルファの寝室。極限られた者しか入室できず、また、入室には必ずセイラムの許可が必要なので、事情を知らない人の目に触れることはない。
影がこの部屋にいる時間は、必ずセイラムも同室している。
「これが今日図書館で読んだ本だ。一通り目を通しておいてくれ」
影の前には6冊の本が積み上げられていた。
「はい」
影は短く返事をする。
既に6冊全て読んでおり、内容も完全に把握していたが、そんなことはあえて言わない。
同じ親から生まれた双子であったとしても、自分はセルファの影。自分が立場的にとても低いという自覚がある。
余計な発言は一切せず、セルファの指示には全て頷くのみだ。
「そうそう、図書館でミトに会ったよ」
セルファは忘れたはずもないのに、ふと思い出したかのように発言した。
(あいつ、本当に行ったのか。人の忠告を全く聞いてねーな)
ミトがついに王宮まで足を伸ばし、しかもそこでセルファと会ったことを、もしアリアに知られたらどうなるのか…。
想像しただけでうんざりする影。
もちろん、そんな内心は顔に出さない。
自分はセルファの行動を全て把握し、然るべき対応するのが役目なのだ。自分の感情など外に出す必要はない。
場所はセルファの寝室。極限られた者しか入室できず、また、入室には必ずセイラムの許可が必要なので、事情を知らない人の目に触れることはない。
影がこの部屋にいる時間は、必ずセイラムも同室している。
「これが今日図書館で読んだ本だ。一通り目を通しておいてくれ」
影の前には6冊の本が積み上げられていた。
「はい」
影は短く返事をする。
既に6冊全て読んでおり、内容も完全に把握していたが、そんなことはあえて言わない。
同じ親から生まれた双子であったとしても、自分はセルファの影。自分が立場的にとても低いという自覚がある。
余計な発言は一切せず、セルファの指示には全て頷くのみだ。
「そうそう、図書館でミトに会ったよ」
セルファは忘れたはずもないのに、ふと思い出したかのように発言した。
(あいつ、本当に行ったのか。人の忠告を全く聞いてねーな)
ミトがついに王宮まで足を伸ばし、しかもそこでセルファと会ったことを、もしアリアに知られたらどうなるのか…。
想像しただけでうんざりする影。
もちろん、そんな内心は顔に出さない。
自分はセルファの行動を全て把握し、然るべき対応するのが役目なのだ。自分の感情など外に出す必要はない。



