「ミト様。今日はセルファ様がいらっしゃる日ですよ」
(あ、そーだった)
エイナに言われるまで、すっかり忘れていたミトである。
「ミト様…、ローザンへ何をしに来たか、わかってらっしゃいます?」
心の中のつぶやきがエイナには伝わってしまったようで、ジト目で飽きられてしまった。
「もちろん、わかってるわよ」
(目的を忘れそうになっただけよ)
その言葉は飲み込むことにする。
影との交渉に成功し、最初こそローザンの内情を知った衝撃で複雑な気分ではあったものの、今やすっかり気が楽になってしまったミト。
この3日間は、別邸の探索に費やした。
広い庭園は、ゆっくり歩くとそれだけで半日を費やしてしまう。
2階にある使用人たちの居住エリアへの立ち入りは許されなかったが、1階は厨房も事務室も見学ができた。
そこで働く人たちにミトは声をかける。
ローザンのこと、そして離れや王宮の話を聞きたかったからだ。
わざわざ自ら使用人に話しかける姫は今までいなかったらしく、最初はかなり恐縮されてしまったが、有意義な話をたくさん聞くことができた。
聞けば聞くほどワクワクした。当たり前だが、ミトはラミリアしか知らないわけで。
他の国を訪れたとしても、こうやって現地の人とじっくり話せる機会はなかったので、使用人との会話が楽しくて仕方がない。
忙しく働いてるところを捕まえては話を強請るミトは、たった3日ですっかり別邸の有名人になってしまった。
(あ、そーだった)
エイナに言われるまで、すっかり忘れていたミトである。
「ミト様…、ローザンへ何をしに来たか、わかってらっしゃいます?」
心の中のつぶやきがエイナには伝わってしまったようで、ジト目で飽きられてしまった。
「もちろん、わかってるわよ」
(目的を忘れそうになっただけよ)
その言葉は飲み込むことにする。
影との交渉に成功し、最初こそローザンの内情を知った衝撃で複雑な気分ではあったものの、今やすっかり気が楽になってしまったミト。
この3日間は、別邸の探索に費やした。
広い庭園は、ゆっくり歩くとそれだけで半日を費やしてしまう。
2階にある使用人たちの居住エリアへの立ち入りは許されなかったが、1階は厨房も事務室も見学ができた。
そこで働く人たちにミトは声をかける。
ローザンのこと、そして離れや王宮の話を聞きたかったからだ。
わざわざ自ら使用人に話しかける姫は今までいなかったらしく、最初はかなり恐縮されてしまったが、有意義な話をたくさん聞くことができた。
聞けば聞くほどワクワクした。当たり前だが、ミトはラミリアしか知らないわけで。
他の国を訪れたとしても、こうやって現地の人とじっくり話せる機会はなかったので、使用人との会話が楽しくて仕方がない。
忙しく働いてるところを捕まえては話を強請るミトは、たった3日ですっかり別邸の有名人になってしまった。



