大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「ティアラ様って、ガーディナー王国からいらっしゃったんですよね?」

「ティアラでいいわ。それに敬語もいらないから」

「そう?」

「是非、堅苦しくない言葉で話してほしいわ。私もそうするし」

ミトは嬉しくなった。

「じゃあ、私のことはミトって呼んで」

「わお。ミトは話が通じる人みたいね」

ティアラは手を叩いて喜んだ。

「もう私、ここの退屈な生活に、本当にうんざりしていたの」

「ここの生活ってどんな感じなの?」

ミトが今一番聞きたい話題だった。

「退屈、ただそれだけよ。刺激のない毎日の繰り返し」

「ふ~ん?」

「まだミトは今日で3日目だしわからないでしょうけど、すぐに私に同調してくれるようになると思うわ」

ミトは首をかしげた。

「私、ここに来て1年になるの。最初は少し淡い期待も抱いていたんだけど、そんなもの、すぐになくなっちゃったわ」

「どうして?」

「だって、確実にユフィーリオと比べて格が落ちるんですもの。ユフィーリオ以外は、世継ぎを生むことだけを目的にした、愛人みたいなものだわ」

「随分と過激な表現…」

流石のミトもティアラのストレート過ぎる表現に驚き、誰かに聞かれていないかと思わず周囲を見渡した。
ティアラは全く構わずに続ける。

「だって、公務はほぼ全てユフィーリオがこなしているのよ。私はただ夜のお勤めをして、子が授かるまで、この囲いの中で、刺激のない毎日をやり過ごすだけなの。ここへ来て1ヶ月で悟って絶望したわ」

肩をすくめるティアラ。

「でも、セルファは博愛主義なんでしょう?」

怒涛の勢いで鬱憤を吐き出すティアラを何とかフォローしようとミトは頑張った。

「まあ、確かにね。夜は平等だと思うわよ。露骨に3日に1回ですもの。あ、ミトが来たから、きっとこれからは4日に1回になるわね」

「はぁ…」

何と答えればいいのやら。