大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「やっ…!」

ゾクゾクっと首筋から感じたことのない感覚が全身に行き渡る。
と思ったら、ピリリとした僅かな痛みを感じた。

「な、何してるの!?」

影は怯えるミトに構わず、首筋から胸元へとキスの雨を降らせる。

「や…話がちがフゴ!」

騒ごうとしたら口を塞がれた。

「少しは協力しろ」

影の顔が至近距離にある。
ミトは思わず顔をそむけた。

「なにがよ」

涙目のミト。

「キスマークくらいつけとかねーと、不自然だろが」

「キスマーク?あなた、口紅つけてるの?」

ガクっと影は再びずっこけた。

「なんだそれ、天然か?」

影が少し離れたので、ミトは速攻で体を起こす。
影の言っている意味がわからなかった。
これで終わりかと思いきや、影はミトの足首を掴み、裾をたくりあげる。

「やだ!何考えてるのよ!」

「はいはい。すぐ終わるから我慢しな」

がっちり足を抑えられ、影は露になったミトの内腿に唇を這わせる。

「…!」

耐え難い羞恥に、ミトは思わず目を閉じた。

「もうイヤ!」

ミトは自分の足の間に顔を埋める影の頭をグーで思いっきり殴ろうとした。
しかし、見えないはずなのに、その手を影は掴んで受け止める影。
力で敵うはずもなく、体を硬直させて耐えるミト。