大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「いくらバレないと言っても、その内医者があんたの体を調べるときが来るぜ」

「それはいつ?婚前検査は当然受けてるわよ」

「そうだな…。他の妃たちは1年ってところだったな」

「じゃあ、期限付きでいいわ。今から10ヶ月。それでどうかしら」

あくまでも強気の姿勢を崩さず、ミトは速攻で具体案を出した。
自分の問いに影が答えたことで、交渉の成功を確信する。

「…いいだろう」

しばらく考えた後、影はそう言った。
安堵したミトは脱力しそうになる自分をいさめる。
まだ気を抜いてはいけない。

「取引成立ね」

ミトは念押しした。

「それじゃ、今日はここまでってことで」

早く一人になりたい。
想像を絶する展開にミトは疲労し、そして高揚していた。
気持ちを落ち着かせてから、今日起こったことを改めて整理したかった。
しかし…。

「そうもいかないんだな」

そう言うと、影はミトを引き寄せる。

「え!?なにっ?」

もちろん抵抗するミト。

「ホント、めんどくせー女」

ミトが暴れるので、影は再びベッドに押し倒して押さえつける。

「さっき『いいだろう』って言ったじゃない!」

慌てまくるミト。

「おまえ、夜のお勉強はしてこなかったのかよ?」

「はぁ!?」

「男と女がやることやったら、それなりに証拠が残るんだよ。
あんた一応姫だろ?風呂とか、着替えとか、侍女が手伝ってんじゃねーの?」

「だからなによ!」

ジタバタジタバタ。
あがいてみるが、影には全く通用しない。
そんなミトをおもしろそうに見ながら、影は言った。

「まっさらなままだと、おかしいんだよ」

そして、ミトの首筋に吸い付く。