「別に、両思いなんて高望みしてないわよ」
あまりに爆笑されて、ムッとするミト。
自分はそんなにおかしいことを言っているだろうか。
「お!怒ったのかよ。あ~腹痛ぇ」
自分の発言をここまで馬鹿にされて、今度は悲しい気持ちになってきた。
「片思いでいい。誰かを好きになってみたいの…」
弱々しく呟くミト。
諦めたはずの気持ちだった。1人の人間として、生身の男に恋心を持つだなんて、一国の姫ができることじゃないと。
自分はラミリアのために、定められた然るべき相手と結婚するのが義務だと。
それなのに、想定外の事態になって、急に決心が鈍ってしまった。
恋心への憧れと、好きでもない相手との結婚への抵抗感が抑えきれなくなったのだ。
「随分と乙女チックだな」
そう茶化しつつも真剣なミトに、影は自分の中の何かを刺激されたような気がしていた。
自分の希望を貫きたい気持ちなど、物心つく前に捨て去ったものだ。
自分にとって抱いてはいけない感情を、当たり前のように主張するミトの姿が、影には少しまぶしく映った。
「あなたも義務で私との行為をしようとしてるだけでしょ?別にバレなければ何もしなくても支障ないどころか、体も休まって楽なんじゃない?
きっと数日おきに、この部屋には来なければいけないんでしょうけど、その時間は自分の休憩時間にすればいいわ」
ミトの指摘は図星だ。
「それが取引内容か?」
頷くミト。
「オレが応じるとでも?」
と言いつつ、影はミトが提示した内容に心を動かされている。
「あなたに拒否権はないと思うけど。それでも拒否するというなら、私は国王に告げ口するだけ」
影の心境の変化を感じ取り、ミトは強気の発言をした。
もう一押しだ。
あまりに爆笑されて、ムッとするミト。
自分はそんなにおかしいことを言っているだろうか。
「お!怒ったのかよ。あ~腹痛ぇ」
自分の発言をここまで馬鹿にされて、今度は悲しい気持ちになってきた。
「片思いでいい。誰かを好きになってみたいの…」
弱々しく呟くミト。
諦めたはずの気持ちだった。1人の人間として、生身の男に恋心を持つだなんて、一国の姫ができることじゃないと。
自分はラミリアのために、定められた然るべき相手と結婚するのが義務だと。
それなのに、想定外の事態になって、急に決心が鈍ってしまった。
恋心への憧れと、好きでもない相手との結婚への抵抗感が抑えきれなくなったのだ。
「随分と乙女チックだな」
そう茶化しつつも真剣なミトに、影は自分の中の何かを刺激されたような気がしていた。
自分の希望を貫きたい気持ちなど、物心つく前に捨て去ったものだ。
自分にとって抱いてはいけない感情を、当たり前のように主張するミトの姿が、影には少しまぶしく映った。
「あなたも義務で私との行為をしようとしてるだけでしょ?別にバレなければ何もしなくても支障ないどころか、体も休まって楽なんじゃない?
きっと数日おきに、この部屋には来なければいけないんでしょうけど、その時間は自分の休憩時間にすればいいわ」
ミトの指摘は図星だ。
「それが取引内容か?」
頷くミト。
「オレが応じるとでも?」
と言いつつ、影はミトが提示した内容に心を動かされている。
「あなたに拒否権はないと思うけど。それでも拒否するというなら、私は国王に告げ口するだけ」
影の心境の変化を感じ取り、ミトは強気の発言をした。
もう一押しだ。



