大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「ミト、もっと快楽に素直になれよ。ミトは正常位で肌と肌を密着させながらするのが好きなんだよな。オレ、知ってるぜ」

「し!信じらんない!」

なんてことを言うのだ。
ミトは恥ずかしくて逃げ出したくなった。

「怒ったか?でも、好きだよ、ミト」

この上ない優しい瞳に見つめられ、もう何も言えないミト。

(でも、幸せかもしれない…)

そんなことを思うのだった。

ローザンにきて、いろいろなことがあった。
セルディオの左耳は宝石で飾られている。
もちろん、セルファと全く同じものだ。
左耳を失ったローザンの王子は、より一層美しさを際立たせていると国内外で評判になっている。

なぜ、そんな事態になってしまったのか、本当のところをミトは知らない。
稽古中の事故と聞いているが、そうではないと感じていた。

今、明るく自分をからかっては愛してくれるセルディオ。
彼に一体何があったんだろうか。
セルディオの立場はとても微妙で危ういところにいる。
命の危険にさらされる場面も多いかもしれない。

それでも、いつも毅然と平静を失わないセルディオが、時にパンクしないように支えていこう。
ミトは密かにそう思うのだった。

「ミト…」

セルディオが自分の名を呼ぶ。

「セルディオ…。もしかして、私、あなたのこと、好きになったのかもしれないよ…?」

「なに!?」

セルディオはガバッと体を起こし、ミトを凝視した。

「ん?なんでもない」

「なんでもないわけねーだろ。もう一度言ってくれ」

なぜだろう。
セルディオの困った顔が可愛く見えてしまうミト。
もっと困らせたくなった。

「いや」

「………頼む」

真剣な目でお願いされてしまう。
ミトは幸福感に包まれた。

「………私も好きだよ、セルディオ」

おしまい