大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「教えてやるから、こっちこいよ」

セルディオはミトに手招きする。
その場所はベッド。

「うん。教えて」

とことこと、ミトはベッドに座るセルディオに近づいた。

「まぁ、座れ」

「うん」

ミトは素直に座る。
セルディオはすかさずミトの肩を抱き寄せキスをした。

「ちょっ!」

のけぞるミト。

「なんだよ、いい加減慣れろよ」

「いや、そういう問題じゃなくって、教えてよ、チャンスの話」

セルディオは構わずもう一度ミトにキスをした。

「ん…」

優しくキスをしながらそのままミトをベッドに押し倒す。
ミトが緊張しているのが伝わってきた。

「本当に慣れない奴だな。もう何回してると思ってるんだよ」

唇を離し、ミトを見つめた。
瞳が優しい。

「だから、教えてよ」

「やることやってからな」

セルディオは明らかにもったいつけてミトをからかっている。
それがわかってミトは怒った。

「いや!」

セルディオの顔面を掴んで引き剥がそうとする。
力では全く敵わない。
それでもセルディオはどいてくれた。

「なんだよ」

「なんだよは私の台詞!
で、チャンスって何?教えてくれないなら、今日はもうセルディオと喋らない」

「別に会話がなくてもやることはやれ痛」

ポカッとミトはグーでセルディオを殴った。

「わかったわかった。実は、また1週間ほど公務で国外に行くことになったんだが…。セルファは妊娠中のユフィーリオを放って1週間も離れられないとわがまま言いやがってさ。オレが行くことになったんだ。
で、今回は妃も同伴らしい。ユフィーリオとアリアは妊娠中、通常ならティアラが行くところだが、既に外せない公務の予定が入っている。ってことで、残るはミトだけなんだが、嫌なら断ることできるぜ」

「行く」

即答するミト。