大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「あ…」

そこで、ユフィーリオは自分の大胆な行動に初めて気付いて赤面する。

「ってことで、オレが影武者に戻るのに異論はねーよな?」

セルディオは明るく言った。
ハッピーエンドへの段取りは整った。

「しかし…、父上がそれを許すとは思えない」

セルファは苦々しくセルディオを睨む。

「そうか?でも、ユフィーリオ様がご懐妊なんだろ?これを使わない手はないぜ」

「おい、ユフィを利用するつもりか?そんなことは許さない。
それに、おまえに馴れ馴れしく話しかけられる謂れはない」

(可愛くねー奴)

その言葉を飲み込んで、セルディオは言葉遣いを変えた。

「これはセルファ様、大変ご無礼を致しました」

恭しく頭を下げる。
セルファはつまらなそうに一瞥しただけだった。

「しかし、条件は整ったのではないでしょうか?私は影武者としてセルファ様と寸分違わぬ外見を取り戻しました。
セルファ様はたった数日で随分お変わりのようですので、ここは本気を出してもらって、すぐ体型を戻していただく必要がありますが」

「見た目の問題だけではないだろう。最大の難関は、父上をどう説得するかだ」

「その通りでございます」

セイラムも頷いた。

「だからこその、ユフィーリオ様です」

「私…?」

ユフィーリオは不安そうに自分を指差す。

「はい。ユフィーリオ様ご懐妊は、ローザンの吉報でございます。国王も祝福されることでしょう」

セルディオはニヤリと笑った。