大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「まだ間に合う?
私、セルファと一緒に生きていきたいの。あなたがもし、影の存在として隠れて生きていかなければならないのなら、私もそうするわ」

「そんなことができるはずない…」

セルファがそう言うと、ユフィーリオは激しく首を振った。

「できなくてもするの。でも、本当は、隠れずに正々堂々一緒に生きていきたい。おなかの赤ちゃんと一緒に」

この発言には、部屋にいた全員が驚いた。

「ユ、ユフィーリオ様!?」

セイラムが珍しく裏返った声を出した。
セルディオも目をまん丸にして二人を見ている。

「ユフィ…?」

さすがにセルファの表情が変わった。

「ずっと私の体調が優れなかったのは、セルファも知っているわよね?
私、疲れとストレスだと勝手に思い込んでいたの。でも、お医者様にみせたら、絶対安静とか言われてしまうかもしれないと思って、ずっと我慢していたの。
でも、あの夜の後、ついにお医者様を呼ばれてしまって…。そこでわかったの。ごく初期だけど、確実に妊娠しているだろうって言われたわ。月のものも遅れていたけど、それもずっとストレスのせいだと思ってから、私もとても驚いた…」

「どうしてそんな大事なことを黙っていたんだ」

「侍女たちにもそう言われたわ。もちろん、お医者様にも、すぐに伝えた方が良いと言われたんだけど…。
一番最初に、自分の口でセルファに報告したかったから、それまで待ってもらったの。
すぐにあなたのところに行けなかったのは、動くのが辛いほど気分が悪くなってしまったのと、それから、会うのが恐かったから…」

部屋にいる皆は、黙ってユフィーリオの話に聞き入った。