「君は僕を信じられないと言ったよね。僕がもう一人いるからわからないと。
僕とその男の区別がつかないんだろう。滑稽だよ。こんなにも君を想っていたのに、君は僕じゃなくて、その男でもいいと言うんだからな」
「そういう意味じゃないわ…」
「僕にはそう聞こえたよ。心底その男を憎いと思ったよ。殺してやりたいくらいにね。
だから、実行しようとしたんだ。そうしたら、反撃を受けてこの有様さ。逆に僕が傷ついた」
セルファの左耳は、影武者と同じように包帯に覆われている。
「我ながら、馬鹿なことをしたと思うよ。後先考えず、結果、父上から見放された。僕はローザンの国王になるには相応しくないそうだ。
今まで血のにじむような努力を続けてきたが、たった一度の失敗で切り捨てられた。父上の決断は、僕ではなく、その男に国を継がせることだそうだよ」
ユフィーリオは呆然としながら、セルファの話しを聞き続けた。
「僕は一生幽閉生活だ。万が一、この男が命を落すようなことがあったときのために生かされるだけ。
この部屋ならば君に会ってもいいらしいが、君が嫌だろう。これからは、その男に抱いてもらえばいい。セックスの仕方まで、僕とそっくりらしいからな」
セルファは自虐的に笑った。
「酷い…」
ユフィーリオは耐え切れず、ついに涙がこぼれた。
「あんたはそれで本当にいいのかよ」
ずっと二人の様子を見守っていたセルディオは、我慢しきれずついに口を開いた。
「おやおや、これはセルファ様、どうされましたか?」
セルファは卑屈な笑いを浮かべてセルディオの包帯を指摘した。
セルディオが負傷したことを、今始めて知ったのだ。
「ああ、これか。セイラムと剣の稽古中、事故で左耳を切り落としてしまっただけだ」
セルファの顔色が変わる。
「全く偶然とは恐ろしいが、あんたのその左耳と全く同じような怪我をした。
もちろん、すぐ担当医師に診てもらったよ。セルファ様の担当医にな。
セルファ様の左耳の大半が怪我でなくなってしまったことは、もうすぐローザン国中に知れ渡るだろうな」
「貴様、何のつもりだ」
セルファの瞳が憎しみでギラギラと光り出した。
僕とその男の区別がつかないんだろう。滑稽だよ。こんなにも君を想っていたのに、君は僕じゃなくて、その男でもいいと言うんだからな」
「そういう意味じゃないわ…」
「僕にはそう聞こえたよ。心底その男を憎いと思ったよ。殺してやりたいくらいにね。
だから、実行しようとしたんだ。そうしたら、反撃を受けてこの有様さ。逆に僕が傷ついた」
セルファの左耳は、影武者と同じように包帯に覆われている。
「我ながら、馬鹿なことをしたと思うよ。後先考えず、結果、父上から見放された。僕はローザンの国王になるには相応しくないそうだ。
今まで血のにじむような努力を続けてきたが、たった一度の失敗で切り捨てられた。父上の決断は、僕ではなく、その男に国を継がせることだそうだよ」
ユフィーリオは呆然としながら、セルファの話しを聞き続けた。
「僕は一生幽閉生活だ。万が一、この男が命を落すようなことがあったときのために生かされるだけ。
この部屋ならば君に会ってもいいらしいが、君が嫌だろう。これからは、その男に抱いてもらえばいい。セックスの仕方まで、僕とそっくりらしいからな」
セルファは自虐的に笑った。
「酷い…」
ユフィーリオは耐え切れず、ついに涙がこぼれた。
「あんたはそれで本当にいいのかよ」
ずっと二人の様子を見守っていたセルディオは、我慢しきれずついに口を開いた。
「おやおや、これはセルファ様、どうされましたか?」
セルファは卑屈な笑いを浮かべてセルディオの包帯を指摘した。
セルディオが負傷したことを、今始めて知ったのだ。
「ああ、これか。セイラムと剣の稽古中、事故で左耳を切り落としてしまっただけだ」
セルファの顔色が変わる。
「全く偶然とは恐ろしいが、あんたのその左耳と全く同じような怪我をした。
もちろん、すぐ担当医師に診てもらったよ。セルファ様の担当医にな。
セルファ様の左耳の大半が怪我でなくなってしまったことは、もうすぐローザン国中に知れ渡るだろうな」
「貴様、何のつもりだ」
セルファの瞳が憎しみでギラギラと光り出した。



