大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「ミト」

セルディオは、その続きを聞くことのが少し怖かった。
でも、今夜はミトに全部聞いて、そして自分の気持ちを全部伝えたい。

「なに?」

「ミトは、オレがいて良かったと思うか?」

「それってどういう意味?」

セルディオの質問の意味を測りかね、ミトは質問で返した。

「そのまんまの意味。オレがいなけりゃ、最初から側室として平和な毎日を送れてたんじゃねーの?」

「う~ん…」

ミトは考え込んでしまった。

「確かに、こんなややこしいことにはなってなかったかもね」

「そうか…」

「でもね、セルディオがいてくれて、本当に良かったと思ってる」

ミトは笑顔だ。
セルディオはミトを眩しく感じた。

「最初からず~っとセルファだけだったら、きっと何事もなく、全てを諦めて全部をそのまま受け入れてたと思う。それが自分の役割だし、それさえしていれば自由だって割り切って。
それなりにローザンでの生活を楽しんで、それなりにセルファともほど良い距離間で、礼儀正しく思いやりを持って接していたんじゃないかなって」

ミトだってラミリアの王女。
王族としての義務を果たすために、いろいろなことを諦めてローザンに来た。
失望して来たわけではないが、一人の女性として様々な感情を経験することを諦めて。

「でもね、セイラム様のことを好きだって気づいて、でもどうにもならなくて、すっごく辛くて悲しかったけど、それでも、こんな気持ちになれたのは幸せだなって思ったの。
セルディオがいなかったら、こんな気持ちずっと知らないままだった。だから、すごく感謝してるんだよ」

「感謝…か…」

セルディオはミトに感謝されても少しも嬉しくない。