「セルファ様がナイフを取り出したのは、私がそうするよう仕向けたからです。私がセルファ様が逆上することを狙って発言したのです。セルファ様が羨ましかった。常に裏にいる私には、眩しい存在でした」
影は心にもないことを並べ立てた。
「セルファ様が切りつけたのも、威嚇だとわかっていました。セルファ様に私を傷つけるつもりなどなかったこともわかっていました」
セルファは驚いて影を見た。
「わかっていてナイフを蹴り上げたのは私です。耳を切り落とそうと考えてはおりませんでしたが、ナイフの落下してセルファ様が傷つくなら、それでも良いと思っての行動でした。あのとき、冷静さを失っていたのは私も同じです」
「報告内容とは違うようだが」
シルフィはセイラムを一瞥した。
セイラムが何か言う前に、影は続けた。
「それに、セルファ様は変わらず美しい御方です。耳もローザンの宝石で飾れば、むしろ魅力的なものになりましょう。
私はセルファ様の影武者。私もセルファ様と同じように耳を切り落としましょう」
もともとそのつもりだった。
当然そうなるだろうと思っていたことだ。
「セルファ様こそ、ローザンの国を継ぐに相応しい御方。私など、足元にも及びません」
そう言って、影はセルファの元にひざまづいた。
「セルディオ…」
さすがにシルフィも言いよどんだ。
「僕はおまえのそういう所が大嫌いなんだ」
セルファは影を睨みつける。
影は心にもないことを並べ立てた。
「セルファ様が切りつけたのも、威嚇だとわかっていました。セルファ様に私を傷つけるつもりなどなかったこともわかっていました」
セルファは驚いて影を見た。
「わかっていてナイフを蹴り上げたのは私です。耳を切り落とそうと考えてはおりませんでしたが、ナイフの落下してセルファ様が傷つくなら、それでも良いと思っての行動でした。あのとき、冷静さを失っていたのは私も同じです」
「報告内容とは違うようだが」
シルフィはセイラムを一瞥した。
セイラムが何か言う前に、影は続けた。
「それに、セルファ様は変わらず美しい御方です。耳もローザンの宝石で飾れば、むしろ魅力的なものになりましょう。
私はセルファ様の影武者。私もセルファ様と同じように耳を切り落としましょう」
もともとそのつもりだった。
当然そうなるだろうと思っていたことだ。
「セルファ様こそ、ローザンの国を継ぐに相応しい御方。私など、足元にも及びません」
そう言って、影はセルファの元にひざまづいた。
「セルディオ…」
さすがにシルフィも言いよどんだ。
「僕はおまえのそういう所が大嫌いなんだ」
セルファは影を睨みつける。



