大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「なんだ…、これは…」

影は現実を受け入れられず、混乱した。

「セルディオって、誰なんだよ…」

呆然と立ち尽くす影。
そんな二人を見て、エイリーナは泣き崩れた。

「セルファ、セルディオ、ごめんなさい。許してちょうだい…」

「エイリーナ」

シルフィがエイリーナの肩を支える。

「しっかりしなさい。あなたがそんなことでどうする。私たちが示しをつけなければならないんだよ」

「わかっています…、でも…。お願いです、シルフィ。私から2人に話をさせてください。これでも、セルファとセルディオの母親なのです」

エイリーナはシルフィに懇願した。

「……わかった。気の済むようにすると良い」

(なんだよ、これ、わけわかんねーよ)

自分の両親を見て、影の気持ちは徐々に白けてく。

「セルディオ、自分の名も忘れてしまったのね…。あなたの名は、セルディオなのよ」

涙に濡れた目で見つめられても、影は益々白けるばかり。

(今更自分の名前がわかったから、なんだってんだ)

「21年前、私はあなたたちを生みました。先にセルファが出てきました。男の子で、とてもとても嬉しかったのを昨日のように覚えています」

エイリーナは立ち上がり、うずくまって声を殺して泣いているセルファに寄り添った。